国際交流
アジア太平洋地域の連携を図るために
国際交流は近年急速に拡大しています。防衛研究所は、防衛省における国際交流の先駆的な機関であり、各国との信頼関係の増進による安全保障環境の改善への貢献と、調査研究及び教育の質的向上を目的として、諸外国の国防大学、国防研究機関との間の定期的な相互訪問による意見交換·研究会、共同研究、相互に教官を派遣しての講義の実施(教官交流)、教育課程研修団の相互派遣、国際会議の主催などを積極的に推進しています。また、国防大臣、参謀長、国防大学校長といった諸外国高官の訪問も受けています。
防衛研究所のアカデミックな環境はオープンで忌憚のない意見交換を促す雰囲気を提供し、参加者が政府の立場にとらわれない自由な見解を述べることを可能にしています。また同時に、防衛研究所が防衛省の機関であることにより討議が政策指向のものとなり、その成果は研究·教育の質的向上に資するばかりでなく、政策立案にも貢献するものとなっています。このほか、学術交流の場として外国の専門家を招いた研究会なども頻繁に行っています。
東南アジア防衛研究交流 2008年11月
国防大学長等会議への参加
防衛研究所長はARF国防大学長等会議のメンバーであり、防衛研究所は、1997 年(平9)の第1回会合以来、防衛省の教育機関を代表して毎年参加しています。特に2001 年(平13)に東京で行われた第5回会合は防衛研究所が主催しました。また、2009 年(平21)からはNATO国防大学国防関係学校長会議にも参加しています。
研究交流・教官交流
- 米国
- 同盟国である米国との安全保障政策面での協力関係の強化に資するため、国防大学、特にその中の国家戦略研究所(INSS)との交流を1995 年(平7)から実施しています。
- 韓国
- 韓国との間では現在の交流が確立する以前にも多くの研究セミナーを開催していましたが、1996 年(平8)から国防大学校(当時は国防大学院)と、2000 年(平12)には国防研究院(KIDA)との間で交流を開始しました。また国防部軍史編纂研究所との戦史研究交流を2001 年(平13)から実施しています。
- ロシア
- 参謀本部軍事戦略研究センター及び参謀本部大学などとの交流を1993 年(平5)から実施してきました。これは防衛庁(当時)のロシア軍との安全保障対話のチャネルを強化するとの方針を受けたものでした。2008年(平20)より相手先が参謀本部大学に一本化されました。
- 中国
- 人民解放軍国防大学との交流を1998年(平10)から実施しています。また、2009 年(平21)の日中防衛首脳による共同プレス発表に基づき軍事科学院との交流を開始するなど、教育面、研究面での交流を強化することとしています。
- オーストラリア
- 1990 年代後半から双方の研究者同士の研究会や現地研究が行われており、2000 年(平12)以降、国防大学及び戦略政策研究所(ASPI)との間で交流を実施しています。また、2006 年(平18)には国防大学との間で覚書が締結され、客員教授の派遣や研修団の相互訪問を行っています。2008 年(平20)の日豪防衛協力覚書において教育・研究交流の推進が明記されたことから、同国との交流をさらに拡大する計画です。
- インド
- インド防衛研究所(IDSA)との交流を2002 年(平14)から実施しています。2008 年(平20)に両国首脳間で合意された日印安全保障共同宣言において、両国の防衛関連機関への留学生及び研究者の相互派遣がうたわれたことから、同国との交流をさらに拡大する計画です。
- 東南アジア
- 防衛庁長官(当時)の東南アジア訪問を契機に、地域の戦略問題に関する日本と東南アジア諸国の信頼と理解を深めることを目的として、1989 年(平1)に東南アジア諸国の軍及び軍関係の研究機関や民間の安全保障研究機関との交流を開始しました。防衛研究所は、これらの機関から著名な研究者を招いて、共通の関心事項についてセミナーを実施しています。
オーストラリア国防大学教授所長表敬
海外への研究者の派遣·国外研究者の受入れ
在外研究員
2007 年(平19)より、防衛研究所の欧州における国際活動の拠点とすべく、ロンドンの英国王立統合軍防衛研究所(RUSI)への研究者の常駐派遣を開始しました。
客員研究員及び招へい研究員
防衛研究所は、1992 年度(平4)から海外の安全保障関係の研究者を客員研究員として受け入れています。さらに2008 年度(平20)からは、海外の著名な研究者を招へい研究員(NIDS フェロー)として滞在費用を負担して受け入れる制度も開始しました。こうした人的交流は、政策研究の活性化に寄与するとともに、研究者のネットワーク構築に資するものであることから、積極的に行っています。
国際会議の主催
防衛研究所は毎年、安全保障国際シンポジウム、国際安全保障コロキアム、及び戦争史研究国際フォーラムの3つの大きな国際会議を開催しているほか、海外から研究者や専門家を招待して多くのワークショップを開催しています。また、防衛研究所の研究者は、国際会議に参加し、あるいは諸外国の国防関係の研究・教育機関を頻繁に訪れて、よりよい協力関係の構築に努めており、研究者もまた各国のカウンターパートとの関係を深める大きな役割を担っています。国際会議の詳細については「イベント」をご覧ください。
安全保障国際シンポジウム 2009年2月
